令和6年度 豊橋市民病院 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 2,028 514 557 907 1,378 2,228 2,977 5,269 3,362 822
 当院は、愛知県の東三河地方にある中核市、豊橋市が運営する公立病院です。地域の中核病院として、40科の診療科を備え、高度急性期及び急性期医療に重点的に対応しています。地域の医療を支えるとともに、愛知県から総合周産期母子医療センターの指定を受けており、ハイリスク妊産婦や病的新生児に対する高度な医療も提供しています。
 年齢階級別退院患者数は、当院を退院した患者さんの年齢を10歳刻みで集計したものです。集計値からわかるとおり、新生児から90歳以上の超高齢者まで幅広い年齢層の入院治療に担っています。令和6年度は、健康リスクの低い10代、20代の若年層にも500人以上の入院治療を行いました。前年度と比較すると、総患者数が400人ほど増加しています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
総合診療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 16 12.69 14.93 0.00 61.81
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 11 8.82 13.66 9.09 74.18
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 10 12.70 20.78 40.00 83.20
180030xxxxxx0x その他の感染症(真菌を除く。) - - 8.02 - -
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) - - 16.40 - -
 総合診療医とは「あらゆる健康問題の窓口となる医師」であると説明されています。からだの病気を診るだけではなく、こころの問題、さらには家族から地域社会を視野に入れた全人的医療をめざすことを理念とし、発熱や倦怠感など、原因がはっきりしない体調不良の原因を精査し、診断・治療を行っています。検査の結果でより専門性の高い治療を必要とする際は、専門診療科に紹介します。
 令和6年度、最も患者数が多かった「重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患」は、膠原病と呼ばれる自己免疫疾患の一種であり、膠原病は全身性エリテマトーデス、ベーチェット病など様々な疾患があります。全身の臓器に慢性的な炎症を引き起こすため、特定の臓器や疾患に限定せず、幅広い症状や複数の健康問題を総合的に診療する総合診療科に診断目的で入院します。この疾患は、発症年齢が20歳代から60歳代と幅広く、当院の平均年齢は61歳となります。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 気管支鏡検査 335 2.16 3.03 0.00 71.72
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 177 14.52 16.40 11.86 82.68
040110xxxx00xx 間質性肺炎 107 14.23 18.68 12.15 74.93 在宅酸素療法
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 化学療法 98 8.91 8.16 1.02 70.57 肺癌化学療法(カルセド)
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 93 17.18 20.78 48.39 82.88
 呼吸器内科は、肺や気管支などの呼吸器の疾患を担当しており、肺癌、悪性胸膜中皮腫、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎及び呼吸器感染症(肺炎・肺結核など)の患者さんの診断から治療まですべてを行っています。
 治療に際しては、患者さんのQOL(Quality of Life:生活の質)や満足度を重視した視点から医療を見直し、個々の患者さんに応じた無理のないものを実施しています。
 近年、呼吸器疾患の治療の進歩に伴い、治療薬等の選択肢が広がり、個別化医療が進んでいます。さらに診断能力や治療成績を上げるため、名古屋大学呼吸器内科とも連携して臨床研究を行い、患者さんにより良い治療をすべく努力しています。
 また、当院は日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本呼吸器内視鏡学会等の教育認定施設として登録され、専門医の育成にも努めています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「肺の悪性腫瘍 気管支鏡検査」は、X線画像やCT検査で肺に異常陰影が発見され肺がんが疑われる場合に行われます。細くて柔らかい気管支鏡を口や鼻から挿入して、気管支内を観察し、組織や細胞を採取する検査法です。当院では1泊2日の入院で検査が行われています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 432 6.93 8.88 3.01 74.97
060102xx99xxxx 穿孔又は膿瘍を伴わない憩室性疾患 131 6.84 7.60 2.29 67.27
06007xxx9910xx 膵臓、脾臓の腫瘍 超音波内視鏡下穿刺吸引生検法等 81 3.59 4.08 1.23 73.07
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 73 5.99 2.57 0.00 69.26
060335xx97x0xx 胆嚢炎等 胆嚢外瘻造設術等 73 13.01 18.03 8.22 78.00
 消化器内科は、消化管(食道、胃、腸)、肝臓、胆道、膵臓の消化器系臓器全般の疾患を担当しており、悪性、良性の確定診断やその他疾患の診断から治療まですべてを行っています。
 腹痛や下血などの自覚症状による受診や、他の医療機関からの紹介に応じて、内視鏡を用いた検査や治療、血管カテーテル治療などを行います。
 名古屋大学関連病院として多くの共同研究を行い、研究成果を臨床の現場に役立てるべく努めています。その他、藤田医科大学や名城大学、学会主導の共同研究にも参加しています。
 また、当院は日本消化器病学会、日本肝臓学会、日本消化器内視鏡学会、日本超音波医学会、日本消化器がん検診学会、日本膵臓学会、日本胆道学会の指導施設に認定されています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「胆管結石、胆管炎」は、胆管の中にできた胆石が原因で、胆汁の流れが妨げられ、細菌に感染して起こる病気です。悪寒戦慄を伴う右上腹部の痛みや黄疸がみられるため、緊急処置が必要になります。腹部超音波検査による確定診断後は、内視鏡を使用して、炎症の原因となった胆石や胆汁を除去します。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 139 15.57 17.33 15.11 82.50
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心臓カテーテル検査 75 2.29 3.07 0.00 67.67 心臓カテーテル検査(前日入院・上肢)
心臓カテーテル検査(前日入院・鼠径)
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 心臓カテーテル検査 74 3.49 4.18 0.00 69.41
050030xx03000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 経皮的冠動脈形成術等 心臓カテーテル検査 50 9.78 11.37 0.00 70.38
050070xx03x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 43 3.16 4.47 0.00 65.44 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房細動・前日入院)
経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房細動以外・前日入院)
 循環器内科は、心臓、冠動脈、大動脈などの循環器の疾患を担当しており、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、不整脈、肺高血圧症などの心血管系の診断から治療までを行っています。
 胸部痛などの自覚症状による受診、心電図や血圧の異常所見がある患者に対し、320列冠動脈CTや心臓超音波検査、心臓カテーテル検査、心臓電気生理学的検査などの精密検査を行うとともに診断結果に基づく最適な治療(経皮的冠動脈インターベンション、心臓カテーテルアブレーションなど)を24時間365日提供しています。
 心不全パンデミックが叫ばれる中、当院は心不全に対する多職種チームでの診療や地域連携にも力を入れています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「心不全」は、心臓に何らかの異常があり、心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液が十分に送り出せなくなった状態を言います。治療法は原因疾患(虚血性心疾患、不整脈など)や病態により異なりますが、原因疾患の治療や高血圧、糖尿病のコントロールや生活習慣の改善などの予防療法、降圧剤や利尿剤を服用する薬物療法、突然の心停止を防ぐために心臓ペースメーカ移植術などを行います。 
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx02x00x 慢性腎不全 内シャント造設術等 39 4.69 7.38 0.00 66.08
110280xx9900xx 慢性腎不全等に対する治療 35 9.23 11.35 11.43 65.71 ステロイドパルス療法
110260xx99x3xx ネフローゼ症候群 リツキシマブ 33 9.24 4.97 0.00 51.73
110280xx991xxx 慢性腎不全 経皮的腎生検法 28 4.14 6.01 0.00 52.89
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害 24 9.00 9.83 8.33 68.54
 腎臓内科は、腎臓の疾患を担当しており、腎炎やネフローゼ症候群の診断・治療、慢性腎臓病の指導・管理・治療、血液浄化を含む腎代替療法の提供を行っています。
 尿の異常(たんぱく尿)をきたす疾患に対し、必要に応じて腎生検を含む精密検査を行い、迅速に確定診断を得たうえで食事療法、ステロイドや免疫抑制剤を中心とした薬物療法を行い、寛解(軽減した状態)・治癒をめざします。慢性腎不全に対する腎代替療法としては、血液透析、腹膜透析、腎移植を選択できる体制があります。
 また、東三河地区の基幹病院として、急性腎不全に対する血液透析、各種血漿交換や免疫吸着など病態に合わせた血液浄化を行っています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「慢性腎不全」は、血液をろ過して、老廃物を尿とともに体の外に排出する機能を持った腎臓が、何らかの原因で十分な働きができず、3か月以上継続した状態を言います。禁煙や減量などの生活習慣の見直しや減塩などの食事療法を行い、血液透析を必要とした場合、内シャント造設術を行います。
糖尿病・内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) インスリン注射 76 10.62 13.77 5.26 63.67
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 22 19.09 20.78 63.64 80.05
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 17 10.82 13.07 5.88 55.00
10006xxxxxx1xx 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) インスリン注射 12 8.00 12.60 0.00 51.33
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 12 11.17 13.66 16.67 75.42
 糖尿病・内分泌内科は、主に、糖尿病を中心とする代謝系疾患と、バセドウ病や甲状腺機能亢進症などホルモン異常に関わる内分泌疾患を診断し、治療を行っています。
 糖尿病は初めのうちはあまり症状がないことが多く、血糖値が高くなった状態で放置していたことによる種々の合併症(網膜症、腎症、神経障害、足壊疽、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞等)をきたしてから受診されることが多い疾患です。
 合併症のない患者さんであれば予防することを目的とし、合併症をきたしてから受診された患者さんであれば、さらなる悪化をきたすことなく健康寿命を延ばすことを治療の目的としております。
 令和6年度、最も患者数が多かった「2型糖尿病」は、遺伝的素因に加え、生活習慣の悪化に伴うインスリン分泌の低下により血糖値が高い状態が続く病気です。当院では、栄養指導や運動の方法、インスリンの自己注射のやり方を学ぶ糖尿病教育入院を行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 エダラボン 176 18.08 16.89 40.34 74.51 脳梗塞(エダラボン)
010060xx99x20x 脳梗塞 脳血管疾患等リハビリテーション等 156 15.19 16.94 23.08 73.63
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 43 21.74 20.78 34.88 83.23
010061xxxxx0xx 一過性脳虚血発作 39 7.69 6.31 0.00 76.36
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー ガンマグロブリン 34 9.56 15.45 8.82 64.62
 脳神経内科は、脳、脊髄、末梢神経、筋肉などに原因がある疾患を担当しており、脳血管障害である脳卒中(脳血栓症、脳塞栓症)には、薬物療法やリハビリの実施。髄膜炎、脳炎などには抗浮腫薬、抗生剤、抗ウイルス薬で治療しています。神経変性疾患(パーキンソン病、アルツハイマー型認知症など)に対しては、神経学的所見、頭部MRI検査等から診断し、確定後適切な治療を行っています。
 また、近年は指定難病である多発性硬化症、重症筋無力症、視神経脊髄炎などに対する効果の高い薬剤が出現しており、適応である患者さんへの投与も行っています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「脳梗塞」は、脳血管に血栓や狭窄ができ、血液が十分に届かないことで脳が壊死する病気です。ダメージを負った脳から発せられる活性酸素の影響を最小限に食い止めながら脳浮腫を軽減させる脳保護薬『エダラボン』を投与し、神経症状の改善を促します。リハビリにて身体機能の改善を図るため、平均在院日数が長く、転院率も高い傾向にあります。
血液・腫瘍内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99x5xx 非ホジキンリンパ腫 リツキシマブ+フィルグラスチム等 58 16.38 19.30 0.00 65.95 悪性リンパ腫 CHOP-R療法(月~水曜日入院)
悪性リンパ腫 CHOP-R療法(木曜日入院)
130030xx99xbxx 非ホジキンリンパ腫 ポラツズマブ ベドチン等 39 14.18 12.23 0.00 69.69 悪性リンパ腫 Pola-R-CHP療法 月~水曜日入院
悪性リンパ腫 Pola-R-CHP療法 木曜日入院
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 39 17.23 20.78 56.41 83.59
130030xx99x6xx 非ホジキンリンパ腫 メトトレキサート大量療法 38 10.74 15.67 5.26 71.79
130030xx99x0xx 非ホジキンリンパ腫 手術・化学療法なし 29 10.90 8.86 10.34 69.66
 血液・腫瘍内科は、血液中の異常値や異常細胞の出現、血液凝固の異常などから疑われる白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍や再生不良性貧血、血小板減少性紫斑病、血友病などの血液良性疾患を診断し、適切な治療を行っています。
 東三河地域の中核施設として、造血器腫瘍に対する化学療法や自己末梢血幹細胞移植、同種造血幹細胞移植から、血液良性疾患に対する免疫療法や補充療法、血栓・止血疾患に対する治療まで様々な血液疾患の診断から治療を行います。治療は標準療法を基本としながらも、国内外の新たな知見を積極的に取り入れ、患者さんの意向に配慮しつつ、最善の治療を提案できるよう努めております。
 血液疾患の治療、特に造血幹細胞移植などでは治療による合併症が多岐にわたるため、当科医師や看護師だけでなく、他の診療科の医師、薬剤師、理学療法士、管理栄養士、ソーシャルワーカー、造血細胞移植コーディネーターなど多職種でチーム医療を行い、より質の高い医療を提供できるようにしています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「非ホジキンリンパ腫」は、免疫力を司る白血球の中のリンパ球ががん化し、リンパ節や臓器に腫瘤ができる病気です。主な治療法は、抗がん剤治療が一般的であり、リツキシマブなどの複数の抗がん剤を使用するR-CHOP療法やPola-R-CHP療法が中心です。当院では、R-CHOP療法やpola-R-CHP療法にフィルグラムチムを併用したクリニカルパスを使用しています。
 なお、造血幹細胞移植は、DPC対象外の治療のため、この集計には含まれていません。
一般外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 165 3.22 4.54 0.00 68.28 鼠径ヘルニア手術(局所麻酔)
腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(全身麻酔)
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)等 127 8.15 9.77 0.00 63.00 乳腺手術( 部分切除 または 全切除 )郭清あり
乳腺手術(全切除)郭清なし
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 103 8.24 9.08 4.85 69.75
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術等 97 10.88 14.81 1.03 68.45 開腹結腸切除術
腹腔鏡下結腸直腸切除術
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 97 5.13 5.99 0.00 60.21 腹腔鏡下胆嚢摘出術
緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術
 一般外科は、消化器(食道、胃、大腸、肝臓、胆のう、膵臓)と乳腺の悪性疾患、良性疾患(胆石症、胆のうポリープ、炎症性腸疾患、代謝疾患(甲状腺、高度肥満症)など)や、腹部の緊急疾患(腸閉塞、虫垂炎、大腸憩室炎など)の手術による治療を行っています。
 三河地方最大規模の年間1,500件以上の手術を行い、低侵襲である手術支援ロボットシステムによる手術も2014年から他の医療機関に先駆けて実施しています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「鼠径ヘルニア」は、腸などの臓器が太ももの付け根(鼠径部)から脱出または突出した状態を言います。根治は手術療法のみであり、弱くなった筋肉の代わりにメッシュを埋め込んで修復するメッシュプラグ法が主流です。当院では、クリニカルパスを使用した2泊3日の手術を行っています。
小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術等 47 2.43 2.73 0.00 3.36
140590xx97xxxx 停留精巣 停留精巣固定術等 14 2.93 2.96 0.00 2.29
060170xx02xx0x 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 13 3.00 6.85 0.00 3.38
010230xx97x00x てんかん 胃瘻造設術等 - - 13.88 - -
060160x199xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) - - 2.42 - -
 小児外科は、生まれて間もない新生児から15歳未満の小児を対象に、肺、気管などの呼吸器疾患、胃、小腸、肝臓、大腸などの消化器疾患、腎臓、膀胱などの泌尿器疾患を担当しており、各臓器の根治的治療のため病変切除や臓器摘出を行っています。
 また、手術の際は、名古屋大学小児科と連携して治療にあたっています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「鼠径ヘルニア(15歳未満)」は、大人の鼠径ヘルニアとは違い、胎児期に腹膜の一部が伸びて鼠径部に残ることが原因で起こります。多くが1歳までに自然に治りますが、痛みや水腫を伴う場合は手術を行います。手術は、切開部が小さく体への負担が少ない腹腔鏡を使用することで、概ね1泊2日の入院で行うことが可能です。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 168 6.29 9.82 0.00 71.68 肺切除術 (前日入院)
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 38 9.79 9.59 0.00 39.63
040010xx01x0xx 縦隔・胸膜の悪性腫瘍 縦隔悪性腫瘍手術等 11 4.27 8.41 0.00 61.18
040200xx99x00x 気胸 手術なし - - 9.28 - -
160450xx99x00x 肺・胸部気管・気管支損傷 - - 9.52 - -
 呼吸器外科は、肺、気管、気管支、縦隔、胸壁、横隔膜など胸部領域の疾患を担当しており、胸部悪性腫瘍(肺癌、転移性肺腫瘍、縦隔腫瘍、胸膜中皮腫など)や非腫瘍性疾患(気胸、炎症性肺疾患、胸腺摘出の必要な重症筋無力症、胸部外傷など)に対して手術による治療を行っています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「肺の悪性腫瘍 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等」は、がん部位別死亡率男性第1位、女性第2位である肺がんを根治させるために行われる手術療法です。当院はクリニカルパスを用いて、3~4センチほどの切開部から内視鏡を挿入し、腫瘍を切除する単孔式胸腔鏡下手術やロボット支援下手術を行います。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx02xxxx 静脈・リンパ管疾患 下肢静脈瘤手術等 19 5.53 2.66 0.00 65.84
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 13 10.46 10.18 0.00 74.00
050163xx9900xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 手術なし 13 3.54 7.58 0.00 76.31
050050xx0111xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。)単独のもの等 心臓カテーテル検査 中心静脈注射等 - - 26.24 - -
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 弁置換術等 人工呼吸等 - - 20.84 - -
 心臓血管外科は、心臓や大動脈および末梢血管に係る疾患を担当しており、1,000gに満たない超低出生体重児の先天性心疾患の救命的な手術や、心臓弁膜症疾患、虚血性心疾患や大動脈疾患(大動脈瘤〔胸部、腹部〕、閉塞性動脈硬化症など)、静脈疾患(下肢静脈瘤、肺塞栓症など)の手術による治療を行っています。
 また、手術室に血管撮影装置を備えたハイブリッド手術室を設置し、腹部大動脈瘤などに対するステントグラフト内挿術を可能としています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「下肢静脈瘤」は、血液がふくらはぎなどの下肢に溜まることで静脈が膨れ上がる病気です。静脈に細い管を入れ、内側から組織を焼く焼灼術などを行って治療します。40歳以上の女性に多くみられ、年齢が上がるとともに罹患率も上昇していきます。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています
移植外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100220xx01xxxx 原発性副甲状腺機能亢進症に対する手術 15 7.73 7.25 0.00 68.93
100230xx01xxxx 続発性副甲状腺機能亢進症に対する手術 - - 9.84 - -
110280xx02x00x 慢性腎不全 内シャント造設術等 - - 7.38 - -
110280xx03x0xx 慢性腎不全 血管結紮術等 - - 3.82 - -
110280xx9900xx 慢性腎不全に対する治療 - - 11.35 - -
 移植外科は、慢性腎臓病(慢性腎不全)の患者さんに対する腎代替療法の外科手術や術後フォローアップ、副甲状腺機能亢進症に対する外科的手術による治療を行っています。
 東三河地域において唯一の腎移植認定施設であり、腎代替療法の外科手術として献腎移植や生体腎移植のどちらも施行しています。また、日本赤十字社愛知医療センター、名古屋第二病院や愛知医科大学病院と連携し、安心安全な医療を提供できるよう努めています。
 令和6年度、患者数が最も多かった「原発性副甲状腺機能亢進症」は、副甲状腺の腺腫や過形成が原因で、ホルモンが過剰に分泌され血液中のカルシウム濃度が高くなる病気です。副甲状腺を切除することで改善がみられます。
 なお、腎移植はDPC対象外の治療のため、この集計には含まれていません。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 骨折観血的手術 大腿等 176 23.50 25.29 68.18 80.44 大腿骨転子部骨折パス(手術前日用)
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節置換術等 121 17.13 18.76 7.44 68.98
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕等 53 2.77 5.95 0.00 56.51 腕の骨折(小児・緊急手術用)
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 後方椎体固定等 48 14.29 19.60 6.25 69.25
070343xx97x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 椎弓切除術等 37 11.86 15.41 8.11 70.00
 整形外科は、骨折や脱臼などの外傷のほか、小児整形外科、手外科、関節外科、スポーツ整形外科、脊椎・脊髄に関する疾患の診断や治療を行っています。
 主な疾患としては、交通事故や転倒などによる四肢骨の骨折・脱臼、各関節の変形、手指や足指までの痛み又はしびれ、歩行困難等が出現する脊柱管狭窄症や頚椎腰椎椎間板ヘルニア、外傷による脊椎損傷などがあります。
 それぞれの病態の原因をレントゲン、CT、MRI、脊髄造影などを用いて究明し診断を行い、薬物療法、運動療法、手術療法などから適切な治療を患者さんに提供しています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「股関節・大腿近位の骨折」は、太ももの付け根にある骨の骨折です。この部位は、歩行機能を担うため、日常生活動作(ADL)に大きく影響します。金属やプラスチック等でできた人工骨頭を挿入する人工骨頭挿入術や、金属で骨折部を固定する観血的骨折手術などを行い、ADL維持に努めます。骨が脆くなった高齢者に多く、リハビリ療法の継続が重要となるため、転院率が高い傾向があります。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010050xx02x00x 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 57 11.32 11.90 33.33 79.49 慢性硬膜下血腫パス(ドレーンあり)
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 50 12.54 7.99 30.00 69.16
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 43 20.40 18.68 69.77 61.81 脳出血(保存)
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 34 8.35 9.83 11.76 61.85 慢性硬膜下血腫パス(ドレーンあり)
010040x199x0xx 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10以上) 32 23.34 22.21 62.50 65.78 脳出血(保存)
 脳神経外科は、新生児から高齢者まで脳神経外科疾患のほぼ全ての領域(脳血管障害、脳腫瘍、外傷、先天性疾患、感染など)を対象として各疾患の診療ガイドラインに準拠した診断・治療を行っています。
 治療においては、高侵襲な手術から血管内治療や神経内視鏡手術などの低侵襲かつ最先端の治療を導入して可能な限り当院にて治療が完結できるよう努めています。
 また2022年度からは日本脳卒中学会認定の一次脳卒中センター(PSC)コア施設に認定され、24時間365日体制で急性期脳卒中患者の受け入れを行い、可及的速やかに診療を開始することができています。
 さらに「穂の国脳卒中地域連携パス」を通じて、急性期から回復期及び維持期医療への円滑な地域連携を図り、人口減少、高齢化が進む地域において必要な医療が途切れることのないように迅速・安全・確実な診療を行います。
 令和6年度、最も患者数が多かった「非外傷性硬膜下血腫」は、何らかの原因で脳を包む硬膜の下に血のかたまりができることで、脳が圧迫されて体のしびれや認知機能の低下を起こす病気です。軽症の場合は経過観察になりますが、血のかたまりが大きければ取り除く手術が行われます。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040100xxxxx00x 喘息 185 5.31 6.38 0.00 4.09
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 115 4.63 5.61 0.00 5.73
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(出生時体重2500g以上) 92 5.76 6.11 6.52 0.00
100380xxxxxxxx 体液量減少症 80 3.33 10.26 0.00 4.46
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 78 3.33 6.98 0.00 2.73
 小児科は、生まれたばかりの赤ちゃんから15歳までの小児を中心に、救急や急性疾患から慢性疾患、在宅医療まで幅広い患者さんの担当をしています。また地域の中核小児医療センターとして、内分泌疾患、アレルギー疾患、循環器疾患、腎臓疾患、神経疾患、遺伝性疾患、血液・腫瘍疾患などの専門外来を持ち、専門医による質の高い医療を提供しています。
 また、患児に最善の医療を提供するよう、各分野で対応困難な症例については専門施設との連携をとって対応しています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「喘息」は、アレルギーや慢性の炎症によって気道の粘膜に炎症が起こり、咳や喘鳴、呼吸困難を起こす病気です。治療法は、症状の重症度によって異なりますが、ステロイド薬の吸入や気管支の拡張を促す薬を内服するなどが行われます。当院では平均年齢3歳の子どもに対する治療を約5日間の平均在院日数で行っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 174 5.45 5.88 0.00 47.24 腹腔鏡下腟式子宮摘出術(郭清なし)
腹腔鏡下子宮筋腫摘出(核出)術
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 145 6.87 9.84 0.00 57.82 広汎子宮全摘術
開腹子宮摘出(リンパ郭清あり)
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの等 116 5.52 5.97 0.00 47.47 腹腔鏡下子宮付属器腫瘍摘出術
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 50 1.54 2.92 0.00 42.18 円錐切除術 1泊2日
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 化学療法 49 3.65 4.07 0.00 62.63 シスプラチン単剤
AP療法
 産婦人科は、子宮、卵巣・卵管、外陰部等に関連した疾患について担当しており、母体搬送を含むハイリスク妊娠を中心とした周産期管理、婦人科悪性腫瘍、婦人科良性腫瘍の診断と治療を行っています。
 現在は、低侵襲手術(腹腔鏡下手術、ロボット支援下手術)も多く行われており、特に当院は、日本で4か所目のロボット支援下手術認定証発行施設であり、全国から多くの医師が見学に訪れています。また、東三河唯一の産婦人科内視鏡技術認定医研修施設であり、多くの若手医師が技術認定医をめざして日々修練しており、多くの合格者を輩出しています。
 婦人科悪性腫瘍の治療は、手術療法以外に放射線療法や化学療法、分子標的薬療法、遺伝子検査などを行い、新しく効果的な治療法を取り入れています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「子宮の良性腫瘍」は、子宮筋腫に代表される婦人科領域の中でも発症頻度が高い病気です。30歳以上の女性の20〜30%にみられ、薬で症状を抑えられる場合もありますが、筋腫の位置やサイズ、症状や将来の妊娠の希望などに応じて手術を行う場合もあります。
 なお、自由診療又は混合診療での入院については、この集計には含まれていません。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 188 6.89 7.35 0.00 13.80 口蓋扁桃摘出術(小児用)
アデノイド手術(小児用)
030240xx99xxxx 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 89 4.76 5.63 0.00 41.64
03001xxx99x3xx 頭頸部悪性腫瘍 化学療法、放射線療法 64 9.22 26.52 0.00 63.23
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 鼻副鼻腔腫瘍摘出術等 59 6.34 6.68 0.00 43.00 頸部手術(小児用)
喉の手術
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 54 5.98 5.84 0.00 52.76 鼻の手術( 鼻中隔弯曲症・アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎等)
 耳鼻いんこう科は、主に耳、鼻腔、副鼻腔、口腔、咽頭、喉頭、甲状腺の疾患を担当しています。
鼻から喉への内視鏡検査、聴力検査や小児の聴性脳幹反応検査、エコー検査、頭頚部腫瘍(鼻腔、咽頭、喉頭、唾液腺、甲状腺など)の組織診断、CT等の画像検査、筋電図検査などを行い診断します。
 悪性腫瘍に関しては、放射線療法、手術療法、化学療法(抗がん剤)の三者を併用し、それぞれの患者さんに合った治療を計画し、根治性と治療後の機能温存をめざした治療を行っています。
 また、各部位の良性腫瘍に対して手術療法の適応を定め、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症に対して、患者の病態や希望に沿った治療(手術療法、薬物療法など)を行っています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「扁桃、アデノイドの慢性疾患」は、のどのリンパ組織である扁桃が何らかの原因で炎症を繰り返している状態を言います。子供に多くみられる病気ですが、通常、成長とともに炎症を起こす頻度は減ってきます。しかし、頻度が高い場合や無呼吸症候群などの症状がある場合は、扁桃摘出術を行います。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 水晶体再建術等 片眼 551 2.59 2.49 0.00 73.75
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 硝子体茎顕微鏡下離断術等 水晶体再建術 88 5.19 5.47 0.00 69.33
020160xx97xxx0 網膜剥離 硝子体茎顕微鏡下離断術等 片眼 81 8.23 7.53 0.00 56.91
020240xx97xxx0 硝子体疾患 硝子体茎顕微鏡下離断術等 片眼 74 4.64 4.83 1.35 70.47
020220xx97xxx0 緑内障 緑内障手術 流出路再建術等 50 4.84 4.52 0.00 70.92
 眼科は、白内障、緑内障、網膜剥離や糖尿病網膜症をはじめとする網膜・硝子体疾患などの手術的治療を担っており、特に白内障手術や緑内障手術、硝子体手術においては低侵襲手術等が進み、患者さんに負担をかけず回復を早めることができています。眼先天異常、斜視・弱視の診断・治療や、他の診療科との連携で全身疾患と関連した眼疾患の診断・治療、ぶどう膜炎や視神経疾患の診断・入院治療を行っています。
 大学病院等の専門病院、近隣の医療機関とも連携を深め、より良い医療を提供していきます。
 令和6年度、最も患者数が多かった「白内障」は、水晶体が白く濁って視力が低下する病気です。70代の約半数以上、80代以上でほぼ全員が罹ると言われています。顕微鏡検査で水晶体の濁りを調べ、手術が必要な場合は水晶体再建術を行います。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 75 12.57 12.98 10.67 65.84
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 30 9.90 9.33 6.67 61.33 帯状疱疹
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 28 7.64 6.92 3.57 73.46
080007xx010xxx 脂肪腫 皮膚、皮下腫瘍摘出術等 20 3.75 3.77 0.00 52.05
080090xxxxxxxx 紅斑症 14 10.64 9.93 7.14 61.00
 皮膚科は、全身の皮膚の疾患を担当しており、皮膚生検などを含めた様々な検査により診断を行い、適切な治療を行っています。
 対象疾患は皮膚がん(悪性黒色腫、有棘細胞癌、基底細胞癌、パジェット病など)、皮膚良性腫瘍(皮膚繊維腫、脂肪腫、脂漏性角化症など)、膠原病(エリテマトーデス、皮膚筋炎、強皮症、シェーグレン症候群など)、色素異常症、アトピー性皮膚炎、じんま疹、その他皮膚疾患となっています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「膿皮症」は、連鎖球菌やブドウ球菌などの感染により皮膚の下に膿が溜まった状態をいいます。さらに炎症が真皮深層から皮下組織に及ぶ蜂巣炎は38度以上の発熱、関節痛、倦怠感を伴うことがあり、治療は抗菌薬(抗生物質)を用いて行いますが、深部への感染のため入院期間が長期化することがあります。免疫力の低い高齢者やがん患者に多くみられる病気です。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺針生検法 219 2.03 2.45 0.00 72.53 前立腺生検
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 109 4.91 5.16 0.00 63.55
110070xx02xxxx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術+術中血管等描出撮影加算 83 5.22 6.75 0.00 72.84 経尿道的膀胱腫瘍切除術 光線力学診断併用
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 75 5.96 6.81 1.33 75.59 経尿道的膀胱腫瘍切除術
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 70 11.16 13.66 8.57 71.19
 泌尿器科は、主に尿に関連した臓器(腎臓、尿管、膀胱、尿道)と男性生殖器(陰茎、前立腺、精巣)の疾患を担当しています。
 対象疾患は、尿路性器の良性・悪性腫瘍、先天奇形、女性泌尿器科領域疾患(骨盤臓器脱など)、排尿障害(神経因性膀胱、前立腺肥大症、尿失禁など)、尿路感染症、尿路結石、腎不全などの患者さんの診療を行います。
 当科において、ロボット支援下手術はがん治療において標準治療になり、腹腔鏡下手術、開腹手術と並んで日常的な手術の一つとなっています。また、悪性腫瘍の治療薬として分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤等の新規薬剤を含むがん薬物療法の症例も増加の一途をたどり、より良い医療を提供しています。
 令和6年度、最も患者数が多かった「前立腺の悪性腫瘍 前立腺針生検法」は、50歳以上の男性に推奨されている前立腺がん検診(PSA検査)の普及により基準値を超える値であった患者さんが前立腺がんの可能性を訴えて受診されます。前立腺針生検は超音波画像で前立腺を観察しながら細い針を複数箇所に刺して組織を採取します。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 103 19 14 49 - 57 1 8
大腸癌 71 62 72 93 - 80 1 8
乳癌 80 42 - - - 13 1 8
肺癌 149 42 79 181 - 162 1 8
肝癌 26 15 - 21 - 94 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 胃癌、大腸癌、乳癌、肺癌、肝癌の延べ患者数を集計しています。初発の場合は、進行度を表すStageごとに延べ患者数を表示しています。
 当院は、愛知県東三河地域の「地域がん診療連携拠点病院」として、設備の充実や医療機関との連携など質の高いがん医療の提供に努めています。再発の場合は、他の医療機関で治療後に再発したため、当院に紹介となった患者さんを含みます。
 胃癌は、StageⅠの患者数が最も多く、内視鏡治療に多く取り組んでいます。
 大腸癌は、StageⅣの患者数が最も多くなります。切除可能であれば、どのStageでも外科的手術を行っています。
 乳癌は、StageⅠの患者数が最も多くなります。集計対象外となりますが、非浸潤性乳管癌と言われるStage0が38件ありました。
 肺癌は、当院で患者数が最も多いがんです。化学療法や免疫チェックポイント阻害薬などで治療するStageⅣの患者数が最も多くなります。
 肝癌は、StageⅠの患者数が最も多くなります。ラジオ波焼灼や肝動脈化学塞栓療法などで治療を行います。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 60 9.15 51.68
中等症 241 13.75 75.22
重症 78 16.12 80.59
超重症 24 23.71 80.04
不明 - - -
 成人市中肺炎とは、普段の生活の中でかかる肺炎のことです。この集計では、細菌による肺炎(ICD10コードJ13~J18$)を対象にしており、インフルエンザや新型コロナウイルスなどのウイルス性肺炎や、食べ物の誤嚥による誤嚥性肺炎は、対象にしていません。また重症度は、身体所見や年齢による重症度分類(A-DROPスコア)を用いて判定しています。
 当院は、第三次救急指定の医療機関として、重症救急患者の受け入れ体制が整備されています。ただし、軽症であっても、併存疾患をもつ患者さんは経過観察が必要となるため、入院を行っています。
 前年度の患者数と比較すると、88人増加しています。なかでも中等症の患者数が42人と大幅に増加し、新型コロナウイルス感染症の5類移行による行動変容が、肺炎患者数の増加につながったと考えられます。また、市中肺炎の原因菌として最も多い肺炎球菌は、ワクチンの接種で予防ができるため、重症化しやすい高齢者には、肺炎球菌ワクチンの接種を勧めています。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 442 19.50 75.02 36.29
その他 32 13.56 70.41 1.90
 脳梗塞は、脳に酸素と栄養を供給する動脈が細くなったり、詰まったりすることにより、脳組織の一部が障害される病気です。麻痺や感覚障害など生活に支障をきたす重大な後遺症を残すことがあるため、直ちに受診することが大切です。
 当院は、24時間365日体制で急性期脳卒中患者を受け入れ、可及的速やかに診療を開始する「一次脳卒中センター」を設置しています。緊急でt-PA静注療法や血栓回収療法などを行うことで、脳へのダメージを最小限に抑えることができます。また、治療後は、地域連携パスを利用してリハビリ専門の病院と連携することで、切れ目のない医療の提供に努めています。
 前年度の患者数と比較すると、患者数が30人減少しています。平均在院は「3日以内」では約1日間、「その他」では約4日間短縮しました。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの 240 1.06 5.31 2.50 74.67
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 238 1.07 6.82 3.36 72.79
K654 内視鏡的消化管止血術 98 0.99 10.17 14.29 71.86
K708-3 内視鏡的膵管ステント留置術 62 0.74 6.50 3.23 73.06
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm以上 62 1.11 4.23 0.00 68.94
 消化器内科は、胃、大腸、肝臓、胆膵などの消化器疾患に対して、内視鏡やカテーテル(管)を使用した手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの」は、主に総胆管結石等により胆道が詰まることで胆汁が流れなくなり、痛みや高熱、黄疸などの症状が出た際に、十二指腸乳頭部をナイフ(電気メス)で切開し、胆道にたまった胆汁の流れを改善させる手術です。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 59 2.42 5.08 3.39 72.34
K5461 経皮的冠動脈形成術 急性心筋梗塞に対するもの 41 0.05 13.73 9.76 70.88
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 37 0.08 6.95 2.70 70.03
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 36 1.00 1.78 0.00 67.39 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房細動・前日入院)
経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房細動以外・前日入院)
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 31 3.97 11.58 6.45 75.97 ペースメーカー植え込み術(前日入院)
 循環器内科は、心筋梗塞や心不全、不整脈などの循環器疾患に対して、カテーテル(管)を使用した手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「経皮的冠動脈ステント留置術」は、足の付け根や手首などにある動脈からカテーテルを挿入し、狭心症や急性心筋梗塞の原因となった冠状動脈の閉塞部位にステントを留置することで血流の回復を促す治療法です。ステントは、免疫抑制剤をコーティングした薬物溶出性ステントを使用することで、再狭窄を予防する効果があると言われています。
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 49 5.47 10.35 2.04 65.86
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 - - - - -
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 - - - - -
 腎臓内科は、慢性腎臓病に対して、人工透析治療に使用する『シャント』を設置するための手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「内シャント造設術」は、末期腎臓病の患者さんが人工透析治療を始めるために動脈と静脈をつなぎ合わせ、静脈に動脈の流れを作ることで、透析に必要な血液量を静脈から採取できるようにする手術です。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
血液・腫瘍内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9212ロ 造血幹細胞採取(一連につき) 末梢血幹細胞採取 自家移植の場合 13 1.92 1.15 0.00 62.31
K6261 リンパ節摘出術 長径3cm未満 - - - - -
K386 気管切開術 - - - - -
K620 下大静脈フィルター留置術 - - - - -
K6262 リンパ節摘出術 長径3cm以上 - - - - -
 血液・腫瘍内科は、白血病や悪性リンパ腫などの造血器腫瘍に対して、造血幹細胞移植を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「末梢血幹細胞採取 自家移植」は、末梢血幹細胞移植を行う患者さんに顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)という薬剤を投与して、骨髄から末梢血に出た造血幹細胞(CD34陽性細胞)を血液成分分離装置を用いて採取します。当院は、愛知県に11施設ある日本造血・免疫細胞療法学会が認定する移植施設の一つです。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
一般外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 183 0.94 3.39 0.00 60.03 腹腔鏡下胆嚢摘出術
緊急腹腔鏡下胆嚢摘出術
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 102 1.19 1.14 0.00 72.72 鼠径ヘルニア手術(局所麻酔)
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 97 1.06 5.89 0.00 63.91 乳腺手術(全切除)郭清なし
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 93 1.98 8.68 1.08 68.71 腹腔鏡下結腸直腸切除術
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 66 1.05 1.09 0.00 61.12 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(全身麻酔)
 一般外科は、胃、大腸、肝臓、胆膵などの消化器疾患と乳腺疾患に対して手術を行っています。低侵襲手術と言われる腹腔鏡下手術やロボット支援下手術も行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「腹腔鏡下胆嚢摘出術」は、胆石症などの患者さんのお腹に3~4箇所小さな穴を開け、炭酸ガスを入れて腹腔内にスペースを作り、そこから内視鏡や器具を入れて痛みや感染の原因となった胆嚢を摘出する手術です。手術後は4日ほどで退院が可能です。当院はクリニカルパス使用し、入院から退院までの治療スケジュールを患者に書面で提供しています。
小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 46 1.04 0.39 0.00 3.35
K6333 ヘルニア手術 臍ヘルニア 13 1.00 1.00 0.00 3.38
K836 停留精巣固定術 12 1.00 0.92 0.00 2.67
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア - - - - -
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) - - - - -
 小児外科は、新生児から15歳未満までの小児の疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術」は、おへそから入れた内視鏡でおなかの中を観察しながら、ヘルニア門と呼ばれる臓器が脱出した出入り口の部分を閉鎖する手術です。小児の鼠径ヘルニアは自然治癒もあり得るため、痛みの度合いや合併症などを考慮して手術の適応時期を検討しています。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 119 1.07 4.66 0.00 71.86 肺切除術 (前日入院)
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの) 43 5.47 3.86 2.33 42.49
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 25 1.00 2.08 0.00 69.28 肺切除術 (前日入院)
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 17 1.00 3.35 0.00 72.53 肺切除術 (前日入院) 
K504-2 胸腔鏡下縦隔悪性腫瘍手術 11 1.00 2.09 0.00 58.09
 呼吸器外科は、肺、気管支、縦隔・胸壁などの胸部疾患に対して手術を行っています。低侵襲な手術として、ロボット支援下手術も積極的に行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの」は、胸部に複数の小さな穴を開け、内視鏡で胸腔内を観察しながら肺の1/3またはそれ以上の肺を切除する肺癌の根治術です。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 19 1.00 3.53 0.00 65.84
K5612ロ ステントグラフト内挿術 1以外の場合 腹部大動脈 10 2.70 6.30 0.00 73.80
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術 2吻合以上のもの - - - - -
K5541 弁形成術 1弁のもの - - - - -
K5521 冠動脈、大動脈バイパス移植術 1吻合のもの - - - - -
 心臓血管外科は、弁膜症などの心大血管疾患や下肢静脈瘤などの末梢血管疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「下肢静脈瘤血管内焼灼術」は、下肢静脈瘤に対して行った手術です。血管の中に細いレーザーファイバーを通して、レーザーの熱によって静脈を焼き、血管を閉塞させる治療法です。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
移植外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4641 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術 副甲状腺(上皮小体)摘出術 15 1.47 5.27 0.00 68.93
K4642 副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術 副甲状腺(上皮小体)全摘術(一部筋肉移植) - - - - -
K608-3 内シャント血栓除去術 - - - - -
K6147 血管移植術、バイパス移植術 その他の動脈 - - - - -
K6072 血管結紮術 その他のもの - - - - -
 移植外科は、副甲状腺(上皮小体)の疾患の手術や、人工透析治療に使用する『シャント』に関する手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「副甲状腺(上皮小体)腺腫過形成手術 副甲状腺摘出術」は、主に慢性腎不全の進行に伴い発症した副甲状腺機能亢進症の患者に対する手術で、副甲状腺を摘出することで亢進状態が改善します。手術後に血液中のカルシウム濃度が低下する合併症が発生しやすくなるため、継続的な観察が必要となります。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 156 1.33 14.68 7.69 70.38 大腿骨転子部骨折パス(手術前日用)
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 147 1.72 18.63 59.86 75.51 大腿骨転子部骨折パス(手術前日用)
K1426 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 椎弓形成 85 2.68 13.54 20.00 68.18
K0462 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨 67 1.19 6.01 7.46 46.63
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 後方椎体固定 60 1.25 12.42 6.67 67.25
 整形外科は、骨、筋、靭帯、神経などの運動器官の外傷および疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「人工関節置換術 肩、股、膝」は、関節に痛みや動きの悪さがある場合に、関節の一部を取り除き、人工の関節に置き換える手術です。特に多いのは変形性股関節症や変形性膝関節症で、手術後は歩行機能回復のためリハビリ療法へ移行することから、術後の平均在院日数が長くなります。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 69 0.13 10.22 30.43 78.80 慢性硬膜下血腫パス(ドレーンあり)
K178-4 経皮的脳血栓回収術 47 0.23 25.66 68.09 77.72
K1781 脳血管内手術 1箇所 36 1.50 20.53 25.00 62.86
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの 32 3.63 26.47 12.50 62.31
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 31 0.48 29.77 41.94 62.61
 脳神経外科は、脳、脊髄、末梢神経などの外傷および疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術」は、頭蓋骨に穴を開け、硬膜とクモ膜の間にできた血の塊を除去して洗浄を行う手術です。脳神経外科で扱う疾患の多くは、身体機能を司る器官に障害をもたらすため、手術後はリハビリ療法を行い、機能の回復を図ります。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 135 0.00 38.16 5.19 0.00
K653-3 内視鏡的食道及び胃内異物摘出術 - - - - -
K7151 腸重積症整復術 非観血的なもの - - - - -
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの - - - - -
K666-2 腹腔鏡下幽門形成術 - - - - -
 小児科は、病変切除や臓器摘出などの手術を小児外科などの他の診療科で行っているため、原則、患部の切開を伴わないものが集計対象となります。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの」は、生まれたばかりの赤ちゃんが呼吸、循環、中枢神経系の不全状態で出生したとき、気管内に管を入れて人工呼吸などを行う蘇生術です。仮死第2度とは、重症仮死と判定されたことを意味します。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 215 1.03 3.62 0.00 50.52 腹腔鏡下腟式子宮摘出術(郭清なし)
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 152 0.93 3.59 0.00 44.74 腹腔鏡下子宮付属器腫瘍摘出術
K8981 帝王切開術 緊急帝王切開 79 7.00 5.70 0.00 32.32 緊急帝王切開術
K879-2 腹腔鏡下子宮悪性腫瘍手術 61 1.00 3.82 0.00 58.43
K8982 帝王切開術 選択帝王切開 53 11.02 5.85 0.00 33.45 帝王切開術
 産婦人科は、妊娠・分娩に対する産科手術と、子宮や卵巣などの女性生殖器疾患に対する婦人科手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「腹腔鏡下腟式子宮全摘術」は、腹部の小さな穴からカメラや鉗子を挿入して手術を行い、切り取った子宮を腟から摘出する治療法です。開腹手術に比べて創部が小さいため、身体への負担が少なく術後4日ほどで退院が可能です。
 また、「帝王切開術」は、混合診療(保険診療と自由診療の組み合わせ)がこの集計に含まれていないため、除いた症例数での表示となりますが、実際は、緊急140件、選択223件実施しています。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K3772 口蓋扁桃手術 摘出 147 1.04 5.33 0.00 14.36 口蓋扁桃摘出術(小児用)
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 37 1.35 4.41 0.00 57.89 鼻の手術( 鼻中隔弯曲症・アレルギー性鼻炎・慢性副鼻腔炎等)
K370 アデノイド切除術 31 1.00 2.94 0.00 5.45 アデノイド手術(小児用)
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む。) 26 2.38 9.58 0.00 67.54
K4571 耳下腺腫瘍摘出術 耳下腺浅葉摘出術 24 1.00 5.08 0.00 56.04
 耳鼻いんこう科は、耳、鼻、咽喉頭および頭頸部領域の疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「口蓋扁桃手術 摘出」は、習慣性の扁桃炎やいびきの改善のために行う手術です。肥大した両側の口蓋扁桃を電気メスなどの器具を用いて摘出します。小児に多い病気のため、平均年齢も低い傾向にあります。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 553 0.20 1.40 0.00 73.74
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 211 0.72 4.41 0.00 64.72
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 67 0.72 3.42 1.49 70.64
K2682イ 緑内障手術 流出路再建術 眼内法 22 0.32 2.55 0.00 66.73
K281 増殖性硝子体網膜症手術 15 1.73 4.87 0.00 49.87
 眼科は、眼球および眼の付属器の疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「水晶体再建術」は、眼科で実施する手術(計932件)のうち、60%にあたる白内障の治療法です。白内障の手術は、混濁した水晶体を取り除き、眼内レンズを挿入する手術を行うのが一般的です。白内障は、加齢が原因で起こることが多いため、平均年齢が高いことが特徴です。
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除 36 0.58 5.92 0.00 73.42
K0063 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径6cm以上12cm未満 16 0.75 3.38 0.00 56.63
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部) 長径2cm以上4cm未満 - - - - -
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外) 長径3cm以上6cm未満 - - - - -
K424 頬悪性腫瘍手術 - - - - -
 皮膚科は、身体の表面全体を包んでいる皮膚に起こった疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「皮膚悪性腫瘍切除術 単純切除」は、基底細胞癌や悪性黒色腫(メラノーマ)など、悪性腫瘍に対する手術です。皮膚は、身体機能に影響の少ない部位のため、手術後は自宅に退院しています。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 154 1.12 3.18 0.00 74.30 経尿道的膀胱腫瘍切除術
経尿道的膀胱腫瘍切除術 光線力学診断併用
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの 106 1.38 2.52 0.00 63.57
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 52 0.75 8.17 5.77 67.17
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いるもの) 42 1.02 8.95 0.00 71.26 ロボット支援前立腺全摘除術
K8412 経尿道的前立腺手術 その他のもの 28 1.00 6.04 3.57 74.93
 泌尿器科は、腎、腎盂尿管、膀胱などの泌尿器疾患や前立腺、精巣などの男性生殖器疾患に対して手術を行っています。
 令和6年度、最も手術件数が多かった「膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術」は、尿道から内視鏡を挿入し、ループ状の電気メスを使用して腫瘍を切除する手術です。手術時間が1時間から2時間ほどで体に負担の少ない手術ですが、膀胱がんは再発が多いがんのため、退院後の経過観察が重要となります。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 51 0.25
180010 敗血症 同一 20 0.10
異なる 76 0.38
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる 15 0.07
180040 手術・処置等の合併症 同一 108 0.54
異なる 27 0.13
 播種性血管内凝固症候群(DIC)は、敗血症などの重症感染症や悪性腫瘍、胎盤剥離などによって全身の細い血管に血栓ができたり、過度に出血したりする重篤な病気です。真菌感染症は、真菌(カビ)が引き起こす感染症の総称で、皮膚や粘膜で発生する表在性と、臓器で発生する深在性に分けられます。
 令和6年度の手術・処置等の合併症の主な内訳は、術後感染が29件、吻合部狭窄が23件、術後出血が10件となります。
 今後も各々の症例を検討し、感染症および合併症の発生の低下を図ってまいります。
 
◇入院契機「同一」とは、入院の目的となった疾患と治療を行った疾患が同じ場合であることを示します。
◇入院契機「異なる」とは、入院の目的となった疾患とは別の合併症や感染症が主な治療となった場合を示します。
※患者数が10未満の数値の場合は、-(ハイフン)を記入しています。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
2,285 2,115 92.56%
 大きな手術を受けた後に、ベッドで長く安静にしていると静脈の流れが遅くなり、血管の中で血液が固まることがあります。これを「深部静脈血栓症」と言い、血液の塊(血栓)が流れて肺動脈に詰まったものを「肺血栓塞栓症」と言います。
 この指標では、「肺血栓塞栓症および深部静脈血栓症の診断、治療、予防に関するガイドライン」において中リスク以上とされる手術を受けた患者に対して、肺血栓塞栓症の予防が行われているかを調べることで、合併症のリスク対策に取り組んでいるかを評価しています。
 令和6年度の実施率は、92.56%でした。今後も積極的な予防対策に取り組み、安全な医療の提供に努めてまいります。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
8,066 5,070 62.86%
 感染症の治療において、血液培養検査で病原菌を特定し、その菌に適した抗菌薬を使用することはとても重要です。しかし、検査を行っても、何らかの理由で汚染菌が紛れ込んでしまった場合は、検出された菌が病原菌なのか、汚染菌なのかの判断がつかず、特定には至りません。診療ガイドラインでは、検査の感度を高めるため、血液培養検査2セットを推奨しており、2セットを行った際の病原菌の検出率は、1セットと比べて約30%向上すると言われています。
 この指標では、血液培養検査が2セット実施されているかを調べることで、検査の精度を上げる取り組みが行われているかを評価しています。ただし、小児科領域、とくに新生児では、貧血を誘発することから2セット採血は実施されていません。また、令和6年度は、世界的な血液培養ボトルの供給不足が発生していたため、集計値にはご留意ください。
 令和6年度の実施率は、62.86%でした。前年度に比べて約13ポイント低下しています。血液培養ボトルの供給不足による影響と考えられます。今後も診療ガイドラインに基づき、精度の高い検査の実施に努めてまいります。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1,615 1,326 82.11%
 感染症の治療において、病原菌を特定し、その菌に適した抗菌薬を選択することはとても重要です。特に、初期治療で多くの細菌に有効な広域抗菌薬を使用する際は、投与開始前に培養検査を実施し、原因菌に適した抗菌薬へ速やかに移行することで、効果的な治療を行うことができます。また、広域抗菌薬の過剰使用は、耐性菌のまん延を助長する恐れがあるため、適正な使用が求められます。
 この指標では、広域抗菌薬を使用する際に、培養検査が実施されているかを調べることで、抗菌薬の適正使用のための取り組みが行われているかを評価しています。
 令和6年度の実施率は、82.11%でした。今後も抗菌薬の適正使用に徹し、安全な医療の提供に努めてまいります。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
210,884 862 4.09%
 病気や怪我によって身体能力が低下した患者さんは、些細なことでも転倒や転落の恐れがあります。転倒・転落を「ゼロ」にすることは困難ですが、転倒・転落による怪我を最小限にとどめる対策はとても重要です。
 この指標では、入院患者延べ人数に対して、転倒・転落が発生した人数の割合を調べることで、当院の安全管理対策が十分であったかを検証し、今後の防止対策を講じるためのものです。
 令和6年度の発生率は、4.09%でした。当院は、医療安全管理室において、発生要因の調査を行い、転倒・転落のリスク対策を行うことで安全な医療の提供に努めています。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
- - -
 院内で発生した転倒・転落による怪我のなかでも、インシデント影響度分類レベル3b以上とされる予定外の処置や治療、入院や入院期間延長などを要した事故の発生は、重大事案として十分な検証が必要となります。
 この指標では、入院患者延べ人数に対して、インシデント影響度分類レベル3b以上の転倒・転落による事故が発生した人数の割合を調べることで、当院の安全管理対策が十分であったかを検証し、今後の防止対策を講じるためのものです。
 分子が10件未満の場合は、分母、分子、割合のすべての項目を「-(ハイフン)」とするため、発生件数の公表はできませんが、10 件未満(小さい値)の良好な結果でした。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
3,401 3,305 97.18%
 手術後の感染をできるだけ防ぐために、抗生物質をあらかじめ投与することを予防的抗菌薬投与と言います。開胸、開腹を伴う手術等は、手術開始直前に抗菌薬を点滴などで投与することにより、手術後の感染を抑えることが期待されています。
 この指標では、全身麻酔手術で予防的抗菌薬投与が実施された手術件数のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された件数の割合を調べることで、より安全な医療を提供しているかを評価します。
 令和6年度の投与率は、97.18%でした。今後も積極的な予防対策に取り組み、安全な医療の提供に努めてまいります。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
208,221 233 0.11%
 日常生活自立度の低い患者さんや褥瘡を有している患者さんに対して、褥瘡対策に関する診療計画書を作成し、計画に基づいた体圧分散、スキンケア、栄養管理などの褥瘡予防ケアを実施しています。
 この指標では、除外条件*に該当する患者さんを除いた入院患者延べ数のうち、d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生患者数の割合を調べることで、褥瘡予防ケアにどれくらい取り組めているかを評価します。
 令和6年度のd2以上の褥瘡発生率は0.11%でした。患者さんが安心して入院生活を過ごすことができるように、今後も褥瘡予防ケアの充実を図り、褥瘡発生率の減少に努めてまいります。

*除外条件
・入院日と退院日が同一の患者
・入院時刻から24時間以内に褥瘡が発生した患者
・入院前から褥瘡がある患者
・調査対象期間より前から院内で発生した褥瘡があり、継続して入院している患者
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
10,728 724 6.75%
 栄養アセスメントとは、入院した患者さんの栄養状態を評価することです。患者さんの栄養状態を早期に評価することで食事における課題を把握し、在院日数の短縮や予後の改善につながります。
 この指標では、65歳以上の退院患者数のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数の割合を調べることで、栄養状態の把握・改善にどれくらい取り組めているかを評価します。
 当院では、栄養管理計画書の作成に際し、アセスメント評価を看護師が、栄養管理計画を管理栄養士が作成しています。実施数は、栄養管理計画書の完成した数から算出しているため、集計値にはご留意ください。
 令和6年度の栄養アセスメント実施割合は6.75%でした。患者さんの栄養状態は、治療に大きく関係するため、今後も栄養アセスメントの早期実施に努めてまいります。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
210,884 2,964 1.41%
 入院期間の長期化や手術後、生活環境の変化、精神的な負担により、一時的に「せん妄」と呼ばれる精神機能障害になることがあります。点滴の抜針や、体内留置しているカテーテルの抜去、医療者や他の患者さんに対して攻撃的になるなどの行為が見られると、治療の妨げとなるため身体的拘束を行うことがあります。当院では、患者さんへの身体的拘束を行わないことを原則としていますが、患者の生命の危機や身体損傷を防ぎ、安全を優先させるため、緊急やむを得ない場合のみ、必要最小限の身体的拘束を実施しています。
 この指標では、入院患者延べ人数に対して、身体的拘束日数の総和の割合を調べることで、どれくらい身体的拘束を実施したかを評価しています。
 令和6年度の実施率は、1.41%でした。今後も安全を第一に、身体拘束最小化に取り組みに努めてまいります。
更新履歴
令和7年9月26日
新規